メモ帳

本読んだりゲームしたり。どんなことを思ってたか後で思い返すためのやつ

FlyableHeart まとめ

ブコメでいいんですかねこれ。シビアすぎだろ。

晶くん目線で個別ルートを繰り返しつつ、読者目線では世界の謎を解き明かして行く構造が上手く機能していて大変楽しめました。止め時が見つからないとはよく言うけれど、ストーリーを一本終える毎に情報を整理、考察して次に臨む流れで楽しめるこの作品は、良い意味で止め時が見つけやすい良作と言えるのではないかと。
ただ順序によって全然違う感想になりそうではあるかも。自分は敢えて核心から遠そうなヒロインを先に選択して遊んだのだけど、最初に結依選んだりしたら色々台無しになりそう。

全体としては良くできている二重構造ではあるのだけれど、個別での情報の提示に重きを置きすぎたのか、桜子や茉百合さんのルートではおはなし自体が薄いというか粗いというか。大枠として重要な情報を提示するルートなので、必要な事だっただろうしそれ自体のインパクトは十分だったのですが、全体の設計に個別の物語が縛られすぎてしまっていた印象でうーん。

まあさんざケチつけてはいるものの、個別それぞれで見ても、ファミリードラマやパパの去就、中身空っぽのツンデレ萌えに果ては自分自身だったりと、バラエティー豊富かつフックが効いていて面白かったです。


最初にやった天音ルートで出てきたからオズの魔法使いが共通のモチーフなのかと思ったけれど、明確に扱ってたのは結依と天音くらい?
対応させるなら、天音がライオン、桜子がブリキのきこり、茉百合がカカシ、九条が魔女で晶くんすずねがドロシーかしら。役割的には晶くんだけど設定とか立ち位置はすずねの方がドロシー的かなと。

結依は役なしというとアレですが、こいつだけ環境人格とも問題を抱えておらず、終始健全かつハッピーなんですよね。強いて充てるなら飛ばされなかったドロシーでしょうか。竜巻は来ませんでした。ドロシーは幸せに暮らしました。


やる前はイラストが売りのしょっぱい萌えエロゲだと思ってたんですが、飽きない作りでお話もちゃんと面白く、良い拾い物でした。ユニゾンシフトの500円セールは不相応なくらいに良い物を置いてますね。

 

パパ殺したことは許してないけどな。